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ケアマネジャーがジェノグラムを使う場面

ジェノグラムは「作らなければいけない書類」ではありません。だからこそ作らないまま済ませることもできます。それでも作る価値がどこにあるのか、業務の場面ごとに整理します。

最終更新:2026-08-03

義務ではないが、効く書類

ジェノグラムは居宅サービス計画書の標準様式には含まれません。作らなくても運営基準違反にはなりません。

それでも作る理由は、文章では伝わらないことが図なら一目で伝わるからです。「長男は他県在住、次女が近隣で週2回訪問、妻は3年前に死別」という一文より、図のほうが早く正確に伝わります。課題分析標準項目の「家族等の状況」を整理する手段としても機能します。

場面1:初回アセスメント

もっとも効果が出る場面です。本人・家族から聞き取りながら、その場で描いていきます。

描きながら聞くことの意味

訪問時は手書きで構いません。事業所に戻ってから清書します。手書きの図を本人に見せながら「こういうことで合っていますか」と確認すると、間違いをその場で正せます。

場面2:ケアプランの根拠づくり

ジェノグラムを描くと、介護力がどれだけあるのかが具体的になります。これは第1表の総合的な援助の方針や、第2表のニーズを書くときの根拠になります。

図から見えることケアプランへの反映
同居家族がいない緊急時の対応方針を第1表に明記する必要がある
同居家族はいるが日中不在日中の見守りをどう確保するかが課題になる
介護を担うのが1人に偏っているその人の負担軽減をニーズとして立てる
キーパーソンが遠方意思決定に時間がかかる前提で段取りを組む
家族間に対立があるサービス導入の合意形成に時間を見込む

「家族がいるから大丈夫」で片づけると、実際には誰も担えていなかった、ということが起こります。図にするとそこが空白として見えます

場面3:サービス担当者会議

サービス担当者会議の資料に1枚添えると、会議の質が変わります。

サービス事業所の担当者は、本人のことは知っていても家族背景までは把握していないことがほとんどです。「なぜこの時間帯にサービスが必要なのか」「なぜこの家族に連絡すべきなのか」が、図があれば説明せずに伝わります。

会議の冒頭で図を配り、「この構成で合っていますか」と本人・家族に確認するところから始めると、全員の前提がそろいます。

場面4:入退院時の医療連携

入院時情報提供書に添付すると、医療機関側の理解が早くなります。

病院は入院時点で家族背景をほとんど知りません。退院支援の担当者が「この人は家に帰れるのか」を判断する材料として、家に誰がいるのか、誰が支えられるのかは最初に必要な情報です。

退院前カンファレンスに持参するのも有効です。医療職と介護職で家族の理解がそろっていないまま話が進むと、退院後に齟齬が出ます。

場面5:担当交代・引き継ぎ

後任者にとって、ジェノグラムは最初の1週間を大幅に短縮する資料です。

支援経過を全部読めば分かることではありますが、数年分の記録を読み込むには時間がかかります。図が1枚あれば、家族構成とキーパーソンは即座に把握できます。

引き継ぎで渡すときは、作図データのファイルごと渡すと、後任者が続きから更新できます。

エコマップとセットで使う

ジェノグラムは家族の中を描く図です。家族の外に何があるかはエコマップが担当します。

独居のケースほど、この2枚をセットで作る価値があります。ジェノグラムで「頼れる家族がいない」ことを確認し、エコマップで「では誰が支えているのか」を確認する。両方薄ければ、それが最優先の課題です。

作らなくなる理由と、その対策

有用性は分かっていても続かない、という話をよく聞きます。理由はだいたい次の3つです。

やめてしまう理由対策
作るのに時間がかかる手書きは訪問時のみ。清書は記号を選ぶだけのツールに変える
記号のルールを忘れる凡例が常に見えるツールを使う。記号一覧を手元に置く
更新が面倒画像ではなく作図データで保存し、開いて直せる状態にしておく

「作る」より「更新する」ほうが挫折しやすいのが実情です。最初から更新前提の作り方にしておくかどうかで、1年後に生きた資料が残っているかが決まります。

ジェノグラムを、ブラウザで描く

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