エコマップの書き方の例|ケース別の記載例と読み取り方
エコマップは描いて終わりではなく、そこから支援の方針を立てるための道具です。よくある2つのケースを図にして、何が読み取れるのかを見ていきます。
最終更新:2026-08-03
例1:独居で、支えが薄い
介護保険サービスは入っているものの、家族やインフォーマルな支えが乏しいケースです。もっとも多く、もっとも見落とされやすいパターンでもあります。
この図から読めること
- 太い線が介護保険サービスだけに集中している。生活を支えているのが制度だけの状態
- 家族の線が点線1本しかない。緊急時に動ける人がいない
- 近所づきあいも希薄。日常的に様子に気づく人がいない
支援方針への落とし方
サービスを足すよりも、点線を実線に変えられないかを考えます。長女との連絡頻度を上げる、民生委員や近隣の見守りにつなぐ、通いの場に参加してもらう。エコマップは「何を増やすか」ではなく「どこが空いているか」を示す図です。
例2:介護負担が特定の人に偏っている
同居家族がいても、実際に担っているのが一人だけというケースです。その人が倒れると在宅生活が一気に崩れます。
この図から読めること
- 太線が嫁1本に集中している。この人が倒れると支えが消える
- 同居の長男は点線。物理的に家にいても介護力にはなっていない
- 本人から出ている矢印は、本人が誰かを世話していることを示す。見落とされやすい負担
- 葛藤の線がある。支援を入れるときに調整が必要になる相手
支援方針への落とし方
レスパイト(ショートステイ、通所の回数増)の検討が第一です。同時に、長男の関わりを増やせないかを担当者会議で扱います。「家族がいるから大丈夫」と書かれたケアプランほど危ういことが、この図だと一目でわかります。
描くときのコツ
- 凡例を図の隅に入れる — 線の意味は事業所や文献で差があるため、読む人が迷わないようにする
- 頻度を添える — 「週3回」「月1回」など、線に短い言葉を添えると具体性が出る
- 空白を見る — 線が引かれていない方向が、これから手を入れる余地
- 本人から出る線も描く — 支えられるだけでなく、支えている関係もその人の生活の一部
- ジェノグラムと並べる — 家族の構成と、社会資源の入り方を同時に見る
第三者の情報や、家族間の対立といった機微な内容を含みます。支援に必要な範囲にとどめ、本人・家族に見せる図と事業所内で共有する図では記載の粒度を分けて考えてください。
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