ジェノグラムの書き方の例|世帯パターン別の記載例
記号のルールを読むより、実際の図を見たほうが早く身につきます。居宅介護支援でよく出会う3つの世帯パターンで、どう描くかを見ていきます。
最終更新:2026-08-03
例1:高齢者夫婦のみの世帯
もっとも多いパターンです。本人と配偶者が同居し、子は独立して別の世帯を構えています。
ポイントは長男を囲みの外に置くことです。図を見ただけで「この世帯には高齢の2人しかいない」ことが伝わります。介護が必要になったとき、家の中に支え手がいないという事実が一目でわかります。
例2:独居で、子が別居している
配偶者が亡くなり、本人が一人暮らしをしているパターンです。子との距離と関わりの頻度が支援の鍵になります。
同じ「子が2人いる」でも、年に数回しか来ない長女と、週1回来る次女では意味がまったく違います。距離と頻度を添えておくと、キーパーソンが誰なのかが図から読み取れます。
この図に加えてエコマップを描くと、家族以外にどんな支えがあるのか(近所、友人、サービス)まで見えるようになります。独居のケースほど、2枚セットで作る価値があります。
例3:長男夫婦と同居している
同居家族がいても、実際に介護を担っているのが誰なのかは別の話です。そこを図で示せると、担当者間の認識がそろいます。
「長男と同居」という情報だけだと、長男が介護しているように読めてしまいます。血縁ではない嫁がキーパーソンであることは、支援を組み立てるうえで欠かせない情報です。図に明記しておきます。
よくある間違い
| よくある書き方 | なぜ困るか | どう直すか |
|---|---|---|
| 同居の範囲を囲んでいない | 誰と誰が一緒に暮らしているのかわからない | 世帯の単位を点線で囲む |
| 年齢を書いていない | 支援できる年代なのか、自身も高齢なのか判断できない | 全員に年齢(または生年)を添える |
| 死亡した人を消してしまう | 家族の歴史が消え、なぜ今この形なのかが読めない | 記号は残し、斜線を引いて没年や時期を添える |
| 子の並び順がばらばら | きょうだい構成が読み取りにくい | 左から年齢順に並べる |
| 続柄が本人視点になっていない | 誰から見た「長男」なのか混乱する | 本人を主語にして続柄を書く |
| 関係の良し悪しを書いていない | 支援の障壁になる関係が見えない | 疎遠・対立などは注記か、エコマップの線種で示す |
図に添えておきたい情報
記号だけでは伝えきれないことは、図の脇に短く書き添えます。次の4つがあると、引き継ぎのときにそのまま使えます。
- キーパーソンは誰か — 連絡先とあわせて
- 連絡してよい人・避けたい人 — 家族間の事情があるとき
- 経済的な支援の担い手 — 介護と金銭の担い手が別なことは珍しくない
- 直近の変化 — 「半年前に長女が転居」など、図が動いた理由
描き直す前提で作る
ジェノグラムは一度作って終わりではありません。同居の開始・解消、死別、キーパーソンの交代など、家族の形は動きます。
手書きだと変化のたびに一から書き直しになりますが、作図ツールなら前の図を呼び出して直せます。更新した日付を図に入れておくと、いつ時点の家族構成なのかが後から辿れます。
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