エコマップの書き方と記号・線の意味
エコマップは、利用者と周囲の人・機関とのつながりを一枚の図にしたものです。線の引き分けで「関係の質」まで表せるのが特徴です。描き方と読み取り方を整理します。
最終更新:2026-08-03
エコマップとは
エコマップ(社会関係図・エコロジカルマップ)は、利用者や世帯を中心に置き、その人を取り巻く人・機関とのつながりを線で結んだ図です。ソーシャルワークの領域で使われてきたもので、介護分野でもアセスメントの整理に使われます。
ジェノグラムが「誰が家族にいるか」を描くのに対して、エコマップは「どこから支援が入っていて、どこが手薄か」を描きます。支援の空白が目で見えるのがいちばんの価値です。
中心に置くもの・周りに置くもの
図の中心には本人(または世帯)を置きます。周囲には、その人の生活に関わっている人・機関を配置します。
- 医療 — かかりつけ医、病院、訪問看護
- 介護サービス — デイサービス、訪問介護、福祉用具、ショートステイ
- 行政・公的機関 — 市区町村の窓口、地域包括支援センター、民生委員
- 家族・親族 — 別居の家族、遠方の子など
- インフォーマルな資源 — 近所、友人、自治会、ボランティア、宗教活動、趣味の集まり
- 職場・学校 — 本人や介護している家族の勤務先
介護保険サービスだけを並べると、どの利用者も同じような図になります。近所づきあいや友人、趣味の集まりといったインフォーマルな資源を書き込むと、その人らしさと、支えの厚みが見えてきます。
線で関係の質を表す
エコマップの特徴は、つながりの「有無」だけでなく「質」まで線で表せる点にあります。使い分けはおおむね次のとおりです。
| 線の種類 | 表すもの | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 太い線・二重線 | 強い関係。頼りにしている、関わりが密 | 週3回通っているデイサービス、毎日訪ねてくる次女 |
| 普通の線 | 一般的な関わり | 月1回受診しているかかりつけ医 |
| 点線・細い線 | 希薄な関係。つながりはあるが弱い | 年に数回しか連絡がない長男 |
| 波線・ギザギザの線 | 葛藤・ストレスのある関係 | 介護方針で対立している親族、折り合いの悪い隣人 |
| 矢印(一方向) | 支援が片方向にしか流れていない | 本人が一方的に世話をしている家族 |
| 矢印(双方向) | お互いに支え合っている | 助け合っている近所づきあい |
描く手順
- 中心に本人(世帯)を置く — 世帯単位で描くときは、同居家族を囲んで1つのまとまりにする
- 関わっている人・機関を周りに並べる — フォーマルな資源とインフォーマルな資源を、左右や上下で分けて置くと見やすい
- 線でつなぐ — つながりの強さ・質に応じて線種を変える
- 頻度や内容を書き添える — 「週2回」「送迎あり」など、短い言葉で補う
- 空いている方向を確認する — 線が引かれていない領域が、これから手を入れる余地
描いた図から何を読むか
エコマップは描いて終わりではなく、そこから支援方針を立てるための道具です。次のような見方をします。
- 線が一方向に偏っている — 特定の家族に負担が集中している。レスパイトの検討へ
- インフォーマルな線がほとんどない — 社会的に孤立している可能性。地域資源の導入へ
- 葛藤の線がある — 支援を入れるときに、その関係が障壁になり得る
- フォーマルな線ばかりが太い — サービスに依存した構造。本人の力や地域とのつながりを取り戻す視点を
ジェノグラムとの併用
ジェノグラムとエコマップは、セットで作ると効果が上がります。ジェノグラムで「頼れる家族がいるのか」を確認し、エコマップで「家族以外に誰が支えているのか」を確認する、という読み方です。
両方を見て支えが薄いとわかれば、それがそのままケアプランの第1表の総合的な援助の方針や、第2表の課題設定の根拠になります。
作図ツールで描く
エコマップは線の種類で意味を表すため、手書きだと線種の描き分けが崩れやすく、資源が増えるほど線が交差して読めなくなります。

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