アセスメント(課題分析)の進め方と課題分析標準項目23項目
アセスメントは、ケアプランの出発点であると同時に、運営基準上の義務行為でもあります。何を聞き、どう記録し、どうニーズにつなげるのかを整理します。
最終更新:2026-08-03
アセスメントは「居宅を訪問して面接する」ことが要件
アセスメントは、単に情報を集める作業ではありません。運営基準上、利用者の居宅を訪問し、利用者およびその家族に面接して行うことが求められています。
電話やサービス事業所からの又聞きで様式を埋めても、要件を満たしたことにはなりません。訪問・面接を行っていない状態が続くと運営基準減算の対象になります。
居宅を訪問することには実務的な意味もあります。段差、手すりの有無、トイレまでの距離、冷蔵庫の中身、ゴミの出し方。家に入らないとわからない情報が、そのままケアプランの根拠になります。
課題分析標準項目 23項目
アセスメントで把握すべき内容は「課題分析標準項目」として示されており、基本情報に関する9項目と課題分析に関する14項目の計23項目で構成されています。どの様式(居宅介護支援経過用の様式、包括的自立支援プログラム、MDS-HC など)を使う場合でも、この項目を網羅している必要があります。
基本情報に関する項目(9項目)
- 基本情報(受付、利用者等の基本情報)
- これまでの生活と現在の状況
- 利用者の社会保障制度の利用情報
- 現在利用している支援や社会資源の状況
- 日常生活自立度(障害)
- 日常生活自立度(認知症)
- 主訴・意向に関する情報
- 認定情報
- 今回のアセスメントの理由
課題分析に関する項目(14項目)
- 健康状態
- ADL(日常生活動作)
- IADL(手段的日常生活動作)
- 認知機能や判断能力
- コミュニケーションにおける理解と表出の状況
- 生活リズム
- 排泄の状況
- 清潔の保持に関する状況
- 口腔内の状況
- 食事摂取の状況
- 社会との関わり
- 家族等の状況
- 居住環境
- その他留意すべき事項・状況
聞き取りのコツ
様式の順番どおりに聞かない
項目を上から順に読み上げると、尋問のようになって本人が構えてしまいます。暮らしの話から入って、出てきた内容を後から様式に振り分けるほうが自然です。「普段、朝は何時ごろ起きられますか」から生活リズム・排泄・食事・ADLまで一続きで聞けます。
「できる」と「している」を分けて聞く
「お風呂は入れますか」と聞くと「入れます」と返ってきますが、実際には週1回しか入っていないことがあります。能力(できるか)と実行状況(しているか)は別に確認します。両者の差が大きいところに、支援の余地があります。
家族の話は家族から別に聞く
本人の前では言えないことがあります。介護負担、経済的な事情、家族間の対立。可能であれば場を分けて聞き、記録には誰から得た情報かを明記します。
本人の言葉をそのまま残す
「自分でトイレに行きたい」「息子に迷惑をかけたくない」といった発言は、要約せずに残しておきます。第1表の意向欄や第2表のニーズを書くときに、そのまま根拠として使えます。
情報をニーズに落とし込む
アセスメントで集めた情報は、そのままではケアプランになりません。「困りごと」から「解決すべき課題(ニーズ)」への翻訳が必要です。
| 段階 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| 情報(事実) | 観察・聞き取った事実をそのまま | 浴槽をまたぐ動作でふらつく。週1回しか入浴していない |
| 解釈(なぜ) | その事実が起きている理由の見立て | 下肢筋力の低下と、浴室に手すりがないことが重なっている |
| ニーズ(課題) | 利用者を主語に、望む生活の形で | 転倒せずに、自分で湯船につかりたい |
「入浴介助が必要」と書いてしまうと、それはニーズではなく手段です。手段から書き始めると、サービスありきのケアプランになります。ニーズは本人が望む状態で書き、手段は第2表のサービス内容に置きます。
再アセスメントのタイミング
アセスメントは初回だけのものではありません。次のようなときは、あらためて課題分析を行います。
- 更新認定を受けたとき
- 区分変更認定を受けたとき
- 入院・退院、入所・退所があったとき
- 心身の状態や家族の状況に大きな変化があったとき
- 短期目標の期間が終わり、目標の見直しが必要なとき
再アセスメントの結果はケアプランの変更につながり、サービス担当者会議の開催トリガーにもなります。
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