ケアプラン第2表の書き方|ニーズと長期・短期目標の記載例
第2表は、ケアプランの中核です。ニーズ・目標・サービスが一本の線でつながっているかどうかが、そのままプランの質になります。
最終更新:2026-09-24
第2表の構成
第2表(居宅サービス計画書(2))は、左から右へ次の順に並んでいます。この順番自体が、支援の論理そのものです。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 本人が望む生活と、現状との間にある課題 |
| 長期目標/期間 | ニーズが解決した状態。おおむね6か月〜1年程度 |
| 短期目標/期間 | 長期目標に至る段階。おおむね3〜6か月程度 |
| サービス内容 | 短期目標を達成するために行うこと |
| ※(保険給付の対象か) | 介護保険給付の対象であるか否かの区分 |
| サービス種別 | 訪問介護、通所介護など。インフォーマルな支援も書く |
| ※(事業所)/頻度/期間 | 担当する事業所、実施の頻度、実施期間 |
右に進むほど具体的になります。逆に言えば、右から埋めていくとサービスありきのプランになるということです。必ず左から考えます。
ニーズの書き方
ニーズ欄でもっとも多い誤りは、課題ではなく手段を書いてしまうことです。
| よくある書き方 | 何が問題か | 書き直した例 |
|---|---|---|
| 入浴介助が必要 | 手段であって課題ではない | 転倒の不安なく、自分で湯船につかりたい |
| デイサービスに通う必要がある | サービス名が先に来ている | 家に閉じこもりがちなので、人と話す機会を持ちたい |
| 下肢筋力の低下 | 医学的な状態であって、生活上の課題ではない | 自分の足でトイレまで歩き続けたい |
| 独居のため見守りが必要 | 支援者視点の判断 | 一人でも安心して暮らしていると家族に思ってもらいたい |
コツは利用者を主語にして、「〜したい」「〜し続けたい」の形で書くことです。本人が読んで「そのとおり」と思える表現であれば、同意も得やすくなります。
認知症等で意思の表出が難しい場合も、本人の生活歴やこれまでの言動から読み取れる望みを、根拠とともに書きます。「見守りが必要」で終わらせないことが大切です。
長期目標・短期目標の書き方
目標は「状態」で書く
目標欄に「週2回デイサービスを利用する」と書いてしまうと、それはサービス内容です。目標はその結果どうなっているかを書きます。
| 区分 | 書き方 | 例 |
|---|---|---|
| ニーズ | 利用者が望む生活 | 転倒の不安なく、自分で湯船につかりたい |
| 長期目標 | ニーズが実現した状態 | 自宅の浴槽で、見守りのもと入浴できる |
| 短期目標 | 長期目標に至る手前の段階 | 浴室内での立ち座りが、手すりを使って安全に行える |
| サービス内容 | そのために行うこと | 浴室に手すりを設置/通所介護での下肢筋力訓練/入浴時の見守り |
達成できたか判断できる表現にする
「意欲を持って生活する」「安心して暮らせる」といった表現は、達成できたかどうかを誰も判定できません。モニタリングで確認できるよう、動作・頻度・場面を具体的に書きます。
期間の設定
長期目標はおおむね6か月〜1年、短期目標はおおむね3〜6か月が目安です。ただし認定の有効期間を超える設定は避けます。短期目標の期間が終わる時期は、目標の見直しと再アセスメントのタイミングでもあるので、期限管理が必要です。
長期目標と短期目標の期間は同じでよいか
同じにしてはいけない、と定めた規定は見当たりません。様式の記載要領(老企第29号)は、長期目標・短期目標それぞれに期間を記載するよう求めていますが、両者の長短については触れていません。ですから「同じだから減算」という話ではありません。
ただし、同じ期間にすると短期目標を分けて書く意味がなくなります。短期目標は、長期目標に到達するまでの途中に置く足場です。始まりと終わりが長期目標と同じなら、足場ではなく長期目標の言い換えになっていないか、一度確かめてみてください。
実地指導で指摘を受けやすいのは、期間が同じであること自体よりも、短期目標が長期目標とほとんど同じ文になっているケースです。期間をそろえた結果そうなっているのであれば、目標そのものを見直す場面かもしれません。
- そろえてもよい場面 — 目標が一段階で足り、途中に区切る意味が乏しいとき(例:短期間で終わる見込みの住環境の整備)
- 分けたほうがよい場面 — 到達までに段階があるとき(例:長期「屋外を歩けるようになる」/短期「室内を伝い歩きで移動できる」)
- どちらでも — 長期を1年、短期を6か月と置いて、6か月後の見直しで短期目標だけ入れ替える運用
なお、期間は認定の有効期間を超えないように設定します。更新認定で要介護度が変われば、目標も期間も見直すことになります。
長期目標と短期目標の期間を同じにすると減算されますか?
期間が同じであることを理由とする減算の規定はありません。運営基準減算は、課題分析やサービス担当者会議、説明・同意・交付、モニタリングといった手続きを行っていない場合に生じるものです。
短期目標の期間が終わったら、必ずケアプランを作り直しますか?
短期目標の期間の終わりは、目標を達成できたかを確認する時期です。達成できていれば次の短期目標へ、達成できていなければ理由を確かめて目標か手段を見直します。ケアプランの変更にあたるかどうかは、変える内容によります。
サービス内容とインフォーマルな支援
サービス内容には、介護保険サービスだけでなくインフォーマルな支援も書きます。家族の手伝い、近所の見守り、配食、民生委員の訪問、自治会の活動。これらを書き込むことで、その人の暮らしを支えている全体像が見えます。
保険給付の対象かどうかは「※」欄で区分します。インフォーマルな支援を書いても給付には影響しません。むしろ書かないと、サービスだけで支えているように見えてしまいます。
よくある指摘と直し方
- ニーズと目標が同じ文になっている — ニーズは「望む生活」、目標は「実現した状態」。段階を分ける
- 短期目標が長期目標の言い換えになっている — 短期は「そこに至る手前の一段」。中間地点を置く
- 目標に対応するサービスがない — 目標を立てたら、それを実現する手段が必ず右側に必要
- サービスがあるのに対応する目標がない — なぜそのサービスを使うのかが説明できない状態
- 期間が認定有効期間を超えている — 認定の満了日を超えない範囲で設定する
- 全員に同じような文言が並んでいる — その人の言葉が入っていない。アセスメントに戻る
作成した原案はサービス担当者会議で検討し、利用者・家族に説明して文書で同意を得たうえで交付します。この一連を欠くと運営基準減算の対象になります。
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