支援経過(第5表)の書き方と記録の残し方
支援経過は地味な様式ですが、運営指導でもっとも読まれる書類です。何をどこまで書くのか、後から自分を守る記録とは何かを整理します。
最終更新:2026-08-03
支援経過は何のための記録か
第5表(居宅介護支援経過)は、利用者や家族、サービス事業所、医療機関とのやりとりを時系列で残す記録です。目的は大きく3つあります。
- 支援の連続性を保つ — 担当が交代しても、経緯が追える
- 判断の根拠を残す — なぜそのとき、その判断をしたのかを説明できる
- 法定の行為を行った事実を証明する — 訪問、面接、照会、交付、加算の要件
3つめが実務上いちばん重いところです。やっていても記録がなければ、やっていないことになります。
何を書くか
1件ごとに、次の要素が揃っているかを確認します。
| 要素 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 日付 | 実際に行った日 | 2026年7月3日 |
| 手段 | 訪問・電話・FAX・面談・同行など | 居宅訪問 |
| 相手 | 誰と話したか | 本人、長女 |
| 内容 | 何を話し、何を確認したか | 退院後の生活について。夜間のトイレ移動に不安があると訴え |
| 判断・対応 | それを受けて何をしたか | 手すり設置を提案。福祉用具事業所へ連絡し翌週訪問を調整 |
| 次の予定 | 次に何をするか | 7/10 手すり設置に立ち会い |
特に抜けやすいのが「判断・対応」です。聞いた内容だけを書いて終わると、ケアマネジャーが何をしたのかが記録に残りません。
悪い例と良い例
悪い例
これでは、行った事実以外に何も残っていません。「特変なし」と判断した根拠も、何を確認したのかもわかりません。1年後にこの記録を読んでも、支援の役に立ちません。
良い例
本人:「退院してから夜中にトイレに起きるのが怖い。壁を伝って行っている」
長女:「夜間は自室で寝ているので気づけない。転ばないか心配」
確認:廊下からトイレまで約4m、手すりなし。段差はなし。歩行は伝い歩きで可能だが、立ち上がり時にふらつきあり。
短期目標「夜間のトイレ移動が安全に行える」の達成状況:未達。
対応:廊下とトイレへの手すり設置を提案し、本人・長女とも同意。○○福祉用具へ連絡(14:20、担当△△氏)、7/10 に訪問・見積の予定。
次回:7/10 手すり設置の立ち会い
長く書くことが目的ではありません。後から読む人(自分を含む)が状況を再現できるかが基準です。
必ず記録に残すこと
次の項目は、法定の行為や加算の算定根拠に直結します。省略しないでください。
- モニタリングのための居宅訪問と面接 — 訪問日、面接した相手(詳細)
- ケアプランの説明・同意・交付 — 説明した日、同意を得た日、交付した日と相手
- サービス担当者会議の開催、または照会 — 開催できなかった理由も含めて
- 入院の連絡を受けた日と、情報提供を行った日・方法 — 入院時情報連携の根拠
- 退院時の情報収集、カンファレンス参加 — 退院・退所の根拠
- 契約時の説明 — 複数の事業所を紹介できる旨などの説明を行った事実
書くときの注意
推測と事実を分ける
「家族が介護に非協力的」は評価であって事実ではありません。「訪問時に不在。電話にも応答なし(3回)」が事実です。事実を書き、評価は評価とわかる形で書きます。
後から書き足さない
記録は当日か、遅くとも数日以内に。日付をさかのぼって書き加えた形跡がある記録は、運営指導で信頼性を疑われます。遅れて記載した場合は、記載日を明記します。
誰が読むかを意識する
支援経過は、開示請求の対象になり得る記録です。本人や家族が読む可能性を想定した表現にしておきます。
続けるためのコツ
支援経過が溜まる最大の理由は「事務所に戻ってから書こう」と思うことです。訪問直後の車内で要点だけでも残しておくと、記憶が鮮明なうちに事実を書けます。
電話1本のやりとりも1行で残します。「あとでまとめて書く」は必ず抜けます。月末にまとめて書いた記録は、内容が薄くなるだけでなく、記載日と行為日のずれが指摘対象になります。
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